The Passing +

岡本源太(美学)。書物を通過する軌跡。http://passing.nobody.jp/

宗教

マッシモ・カッチャーリ『三つのイコン』

Massimo Cacciari, Tre icone, Milano : Adelphi, 2007. マッシモ・カッチャーリはピエロ・デッラ・フランチェスカ《復活》を、アルベルティやヴァッラに体現されているような「悲劇的」人文主義の文脈で見る。カッチャーリによれば、人文主義は単純で純粋な…

ジルソン、ナルディ、川添信介

Étienne Gilson, Études de philosophie médiévale. (1921) Bruno Nardi, Saggi sull'aristotelismo padovano dal secolo XIV al XVI. (1958) 川添信介『水とワイン』(2005) いわゆる「二重真理説」の問題の広がりを確認しようとあれこれ繙いてみると、ジ…

スピノザ(上野修)

上野修『精神の眼は論証そのもの』(1999) 上野修『スピノザ』(2006) 哲学と宗教の分離についてスピノザが考えたこと(とその思想史的状況)をおさらいしようと、二冊繙く。おそらくはアヴェロエス(主義)の「二重真理説」に淵源するものだろうけれど、…

モンザン

Marie-José Mondzain, Image, icône, économie. (1996) マリ=ジョゼ・モンザン『イメージ、イコン、エコノミー』、久々に手に取ってみると、貨幣とイメージの話は意外とあっさりとしか書いていない。かわりに、「エコノミー」の概念史にわりと多く頁を割い…

 エラノスで

「エラノス叢書」(井筒俊彦監修、平凡社、1990-1995年) 〈エラノス会議〉に〈観念史クラブ〉――「エラノス叢書」と『観念史事典』(西洋思想大事典)。思想の歴史には関心を寄せる身ながらも、どうにも自分とは縁遠いものに感じられてしまう理由を、長らく…

 ブリュノ・ラトゥールによる

Iconoclash. Beyond the Image Wars in Science, Religion and Art, edited by Bruno Latour and Peter Weibel, Cambridge, Mass., MIT Press, 2002. Making Things Public. Atmospheres of Democracy, edited by Bruno Latour and Peter Weibel, Cambridge,…

ダグロン

Tristan Dagron, "Toland and the censorship of atheism" (2009) 宗教(あるいはもっと広く言って「信」)の問題は、当然と言えば当然ながら、思ったほど単純でない。トリスタン・ダグロンがレヴィ=ストロースの「象徴的効果」を参照しているのは少々意外…

 鶴岡賀雄『十字架のヨハネ研究』(創文社、2000年)

十字架のヨハネ(Juan de la Cruz, 1542-1591)の思想について、「暗夜」「影」「接触」「炎」「目覚め」などのイメージ系から考察した書物。アビラのテレジアやマリア・マッダレーナ・デ・パッツィたちとともに、一六世紀西欧のキリスト教神秘主義の最高峰…

 ミシェル・ド・セルトー『ルーダンの憑依』(矢橋透訳、みすず書房、2008年)

ミシェル・ド・セルトー(Michel de Certeau, 1925-1986)が、一七世紀にフランスはルーダンの修道院で起こった集団悪魔憑き事件について著した書物(原著1970年)。ジャンヌ・デ・ザンジュをはじめとするルーダンの修道女たちが、ある日から突発的に奇怪な…