The Passing

岡本源太(美学)。書物を通過する軌跡。http://passing.nobody.jp/

2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ツィンマー

ハインリッヒ・ツィンマー『インド・アート』(原著1946) 原題を直訳すると『インドの芸術と文明における神話と象徴』なので、実のところインド美術の図像分析はほとんどなく(期待していたインド美学の紹介もなく)、もっぱらインドの神話の読解と象徴系の…

ポーコック

ジョン・ポーコック『徳・商業・歴史』(原著1985) ひきつづきポーコックの論文集。第二章に所収の「徳、権利、作法」を再読したら、こちらもようやく咀嚼できるようになってきているよう。政治に関して、「法」(神や自然も含め)をモデルにした思考に対し…

ポーコック、木村俊道

ジョン・ポーコック『マキァヴェリアン・モーメント』(原著1975) 木村俊道『文明の作法』(2010) 繙くたびに挫折するポーコックの書物。イタリアのヒューマニズムがイギリスの道徳哲学に引き継がれていった経緯についてようやく自分なりに関心にひっかけ…

ジルソン、ナルディ、川添信介

Étienne Gilson, Études de philosophie médiévale. (1921) Bruno Nardi, Saggi sull'aristotelismo padovano dal secolo XIV al XVI. (1958) 川添信介『水とワイン』(2005) いわゆる「二重真理説」の問題の広がりを確認しようとあれこれ繙いてみると、ジ…