The Passing

岡本源太(美学)。書物を通過する軌跡。http://passing.nobody.jp/

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

クロード・レヴィ=ストロース『みる きく よむ』

クロード・レヴィ=ストロース『みる きく よむ』竹内信夫訳、みすず書房、2005年(原著1993年) レヴィ=ストロースは一個の作品のなかにつねに選択を見る。つまり、別様でもありえたなかでなぜこのように実現されたのかを問う。このとき構造とは、その別様…

クロード・レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』

クロード・レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』川田順三訳、中公クラシックス、2001年(原著1955年) 過去を、現在は失われてしまったものとしてではなく、現在に広がっているものとして捉えるとき、構造が見えてくる。風景や地層のように地理的な広がりへと分…

多木浩二「装飾の相の下に」

多木浩二「連載/装飾の相の下に」(全10回)、『SDーースペース・デザイン』第100号〜第103号、第106号〜第110号、第112号、1973年1月〜12月 芸術とも技術とも異なる装飾を、モダニズムは排除しようとしたが、それでも装飾はただ見かけを変えただけで残りつ…

ジャン=ピエール・デュピュイ『ありえないことが現実になるとき』

ジャン=ピエール・デュピュイ『ありえないことが現実になるとき』桑田光平、本田貴久訳、筑摩書房、2012年(原著2002年) 未然に防ごうとする防止策は、起こりうること、可能なことに対してしかなしえない。しかしながら、起こるはずのなかったこと、不可能…