2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧
ジャン・スタロバンスキー(1920- )*1が、18世紀フランスの芸術と思想を「自由」をめぐる問題系として読み解いた書物。啓蒙主義とロココ趣味、崇高と優雅が同居する18世紀フランスは、なによりも感情と運動を重視し、そこから互いに相容れないようなさまざ…
ロラン・バルト(1915-1980)が、現代フランスにおいて「あたりまえのこと」と思われているものを「神話」として分析した書物。「神話」は、なにかを覆い隠したり、あるいは顕示したりはしない。ただ、変形し、屈折する。屈折=妥協形成。のちには〈デノテー…
ガストン・バシュラール(1884-1962)が、相対性理論や不確定性原理といった20世紀前半(バシュラールの同時代)の科学理論における客観性の在り方について論じた書物。バシュラールの科学哲学において重要なのは、「プロセス」の重視にあるように思う。たと…
ホセ・オルテガ・イ・ガセット(1883-1955)による美学の論考「美術における視点について」「芸術の非人間化」、およびベラスケスとゴヤについての論考を収録した書物。メタファーは現実を回避するために使用される、という名高いメタファー論も含んだ「芸術…
アラン・コルバン(1936- )がおもに18世紀以降のフランスの「風景」の歴史について、インタヴューに答えるかたちで語った書物。物理的な環境が、ある特定の捉えられ方をすることで「風景」となる。そこには、視覚だけでなく、聴覚や嗅覚、触覚、さらにはそ…