The Passing

岡本源太(美学)。書物を通過する軌跡。http://passing.nobody.jp/

2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

 坂口ふみ『“個”の誕生―キリスト教教理をつくった人びと』(岩波書店、1996年)

ヘレニズムからビザンティンにかけてのキリスト教の教義論争を辿ることで、「個」としての「ヒュポスタシス=ペルソナ」という概念が形成されていく過程を辿った書物。東欧のギリシア教父たちによる三位一体論やキリスト論が、アリストテレス的な存在論を論…

 信原幸弘編『シリーズ心の哲学〈2〉ロボット篇』(勁草書房、2004年)

おもに人工知能の研究やロボット工学をめぐる/にもとづく「心の哲学」の論文集。古典的計算主義vsコネクショニズムやフレーム問題などがコンパクトに概観されており、全体の見通しを得るのに適した論文集のように思う。個人的な関心から、とくに力学系にも…