The Passing

岡本源太(美学)。書物を通過する軌跡。http://passing.nobody.jp/

2009-01-01から1年間の記事一覧

 人間と動物と

Gilbert Simondon, Deux leçon sur l'animal et l'homme. Paris : Ellipses, 2004. Lignes, n°28 (HUMANITÉ / ANIMALITÉ), 2009. 『現代思想』2009年7月号(特集「人間/動物の分割線」) 「人間も動物の一種だ」という言葉にはもはやほとんどだれも驚かない…

 エドガー・ヴィント『芸術と狂気』(高階秀爾訳、岩波書店、1965年)

エドガー・ヴィント(Edgar Wind, 1900-1971)の美学(ひいては哲学)がもっとも明快に展開されている瀟洒な書物(原著1963年)。『残存するイメージ』のなか、あれほどエルヴィン・パノフスキーとエルンスト・ゴンブリッチに対して舌鋒鋭いジョルジュ・ディ…

 鶴岡賀雄『十字架のヨハネ研究』(創文社、2000年)

十字架のヨハネ(Juan de la Cruz, 1542-1591)の思想について、「暗夜」「影」「接触」「炎」「目覚め」などのイメージ系から考察した書物。アビラのテレジアやマリア・マッダレーナ・デ・パッツィたちとともに、一六世紀西欧のキリスト教神秘主義の最高峰…

 エドガー・ヴィント『ルネサンスの異教秘儀』(田中英道、藤田博、加藤雅之訳、晶文社、1986年)

エドガー・ヴィント(Edgar Wind, 1900-1971)が、ルネサンスのヨーロッパに再来した古代のギリシアやエジプトの宗教文化について、その哲学的な争点を考察した古典的な書物。ある意味で、かつて新プラトン主義者たちによって模索された「プラトンとアリスト…

 ミシェル・ド・セルトー『ルーダンの憑依』(矢橋透訳、みすず書房、2008年)

ミシェル・ド・セルトー(Michel de Certeau, 1925-1986)が、一七世紀にフランスはルーダンの修道院で起こった集団悪魔憑き事件について著した書物(原著1970年)。ジャンヌ・デ・ザンジュをはじめとするルーダンの修道女たちが、ある日から突発的に奇怪な…