エラノスで
〈エラノス会議〉に〈観念史クラブ〉――「エラノス叢書」と『観念史事典』(西洋思想大事典)。思想の歴史には関心を寄せる身ながらも、どうにも自分とは縁遠いものに感じられてしまう理由を、長らく探しあぐねている。おそらく関心の在処か、あるいは前提となっている姿勢が微妙に(けれども決定的に)違うのだろうけれど、いまだうまく言語化できない。そこになにか重要な争点があることを予感しながら、ともあれ気が向いたときに読み返すしかないのかもしれないと思い、ふと「エラノス叢書」の目次を見返してみる。
第一巻「時の現象学(I)」
第二巻「時の現象学(II)」
第三巻「人間のイメージ(I)」
- エルンスト・ベンツ「〈神の像〉としての人間」(薗田坦訳)
- レオ・ベック「言い表わしえぬ個体」(木田献一訳)
- エーリク・ホルヌング「魚と鳥」(屋形禎亮訳)
第四巻「人間のイメージ(II)」
第五巻「光・形態・色彩」
- アドルフ・ポルトマン「生物と光──その関係の諸相」(谷口茂訳)
- アドルフ・ポルトマン「生物学から見た色彩感覚と色彩の意味」(谷口茂訳)
- ジャン・ブラン「昼の法則と夜のパトス」(長谷正當訳)
- ミルチャ・エリアーデ「「内なる光」の意味」(久米博訳)
- ドミニク・ザーアン「白・赤・黒──黒人アフリカにおける色のシンボリズム」(嶋田義仁訳)
第六巻「一なるものと多なるもの」
第七巻【欠番】
第八巻「言葉と語り」
第九巻「言葉と創造」
第十巻「創造の形態学」
- カール・ラインハルト「プロメテウス」(辻村誠三訳)
- ロレンス・ヴァン・デル・ポスト「原始アフリカにおける創造的パターン」(由良君美訳)
- ミルチャ・エリアーデ「創造者とその「影」」(久米博訳)
- ゲルショム・ショーレム「初期カバラーにおける聖書の神とプロティノスの神の闘い」(進藤英樹訳)
第十一巻【欠番】
別巻「エラノスへの招待――回想と資料」
I エラノスとは何か
- ルドルフ・リッツェマ「エラノス──魂の営み」(桂芳樹訳)
- 井筒俊彦「「エラノス叢書」の発刊に際して──監修者のことば」
II エラノスの時
III エラノスの場所
- 井筒俊彦「エリアーデ哀悼──インド体験をめぐって」
- 種村季弘「アスコーナ架空紀行」
- 高山宏「すべてはエラノスに発す──エラノス会議、そしてボーリンゲン財団」
- マーティン・グリーン「真理の山」(進藤英樹訳)
IV 特別論文
- アンリ・コルバン「秘儀伝授譚とイランのヘルメス主義」(桂芳樹訳)
V 資料
- エラノス講演者名鑑
- エラノス年報総目次
- ボーリンゲン叢書一覧
- 邦訳文献一覧
- エラノス叢書総目次