2007-01-01から1年間の記事一覧
エミール・ブレイエ(Émile Bréhier, 1876-1952)が、初期ストア主義哲学を、「非物体的なもの」に着目しつつ、おもにプラトンやアリストテレスとの差異のなかで論じた書物。「相互に作用しあう実体たる物体」と「いかなる作用ももたない非物体的な事実(出…
ジョルジョ・アガンベン(Giorgio Agamben, 1942- )が「歴史」について考察した諸論考を集めた書物(原著は1978年、2001年に増補)。日本語訳されたのであらためて読みなおしたが、かつて中心的に読んだ「時間と歴史」の章よりも「おもちゃの国」の章のほう…
ブリュノ・ラトゥール(Bruno Latour, 1947- )が、「主体−客体」の対を「複数の人間−複数の人間でないもの」の集合体へと置き換えながら、みずからの「実在論」哲学を展開した書物。「絶対的な客観性」と「社会や権力による構築性」との闘争が実は一致して…
レオン・バッティスタ・アルベルティと15世紀フィレンツェの文化・社会とを互いに照応させながら論じた書物。「万能の天才」アルベルティについては、いつか自分なりに取り組んでみたいとかねてより思っているが、なかなか手を出せないでいる。この書物では…
マルク・リシール(Marc Richir, 1943- )が、身体からの/への「超過」という視点から、身体の現象学、心身問題、身体の思想史などを簡略に論じたもの。リシールは、「心」を実体化することなく、身体からの/への多様な「超過」の在り方として、感覚、情緒…