クライン、モレル
- Robert Klein, La forme et l'intelligible. (1970)
- Philippe Morel, Les grotesques. (1997)
フィリップ・モレルも基本的にロベール・クラインの延長線上で、マニエリスム美学の代弁者としてジョルダーノ・ブルーノの想像力論を引きあいに出す。それなりに面白くもあるが、やはり最終的に違和感が残ってしまう。ブルーノの認識論のモデルがアクタイオンだということ、つまり、想像力によって対象を取り込む主体は死に至らなければならないことを、モレルもクラインも重視していない(せいぜいクラインが紐帯の相互性を指摘しているくらい)。だから結局、ブルーノがアリストテレス主義的な抽象化の認識モデルの亜種を提起したとしか見えなくなってしまっている気がする。