伊藤博明、スタロバンスキー
- 伊藤博明『ルネサンスの神秘思想』(1995/2012)
- Jean Starobinski, La relation critique. (1970/2001)
イタロ・カルヴィーノによる要約がジャクリーヌ・シェニウー=ジャンドロンによる要約と微妙に違う(大筋では一緒だけれど)と思っていたジャン・スタロバンスキーの想像力論、実際に一通り読んでみると、ジョルダーノ・ブルーノへの着目の仕方がカルヴィーノ独自のもののよう。スタロバンスキー自身は、これまたロベール・クラインの研究に依拠して、ブルーノを自然哲学的な想像力論(現実の産出としての想像)の系譜の端緒に位置づけて、認識論的な想像力論(現実の反映としての想像)の系譜に対置しているが、カルヴィーノはブルーノをこのどちらでもない位置(アルゴリズム的想像力?)に置いている。