ポーコック、木村俊道
- ジョン・ポーコック『マキァヴェリアン・モーメント』(原著1975)
- 木村俊道『文明の作法』(2010)
繙くたびに挫折するポーコックの書物。イタリアのヒューマニズムがイギリスの道徳哲学に引き継がれていった経緯についてようやく自分なりに関心にひっかけることができてきたからか、今回はわずかながら頭に入ってくる印象。なぜジョン・トーランドがあれほどジョルダーノ・ブルーノに心酔したのかと考えるにつけ、政治(善悪)の領域を真理の探究としての哲学から切り離してしまう身振りが重大なものに思えてくる。そのとき浮上してくるのは「慣習」「交際」「作法」といったものだけれど、同時にまた、ここでこそ「イメージ」の問題を考えてみるべきようにも思える。