クブラー

• George Kubler, The Shape of Time. (1962)

ジョージ・クブラーが展開するプライム・オブジェクトとレプリカの話、数学とか遺伝学とか文学理論とか比較文法とかのメタファーがあれこれ引っ張りだされるものの、率直なところやや中途半端な印象で、最終的には根底にある美術史家としての実感を酌み取るべきなのかもしれない。個人的にはちらっと具体例として触れられているメキシコの事例が、ちょうどアメリカ大陸征服の問題を調べていただけに面白かったりも。クブラーの専門たる中南米美術史の業績はどのようなものなのだろう。