2011-01-12 カルキア 哲学 美学 読書 Gianni Carchia, L'amore del pensiero. (2000) ジャンニ・カルキアが生前最後にまとめたこの書物(出版自体は死後)。初期著作の集成『イメージと真理』を繙いたあとでめくってみると、議論の幅が格段に広がっていて論述ものびやかな印象。第二部第四章「精神とメランコリー」では、オーソドックスにフィチーノやビンスヴァンガーのメランコリー論を取りあげたかと思いきや、それをカントの崇高論に結びつけたり、ジャンケレヴィッチのノスタルジー論に繋げたりする。