プレヴォー
- Bertrand Prévost, « Direction-dimention » (2013)
- Id., « Des putti et de leurs guirlandes » (à paraître)
- Id., « Cosmique cosmétique » (2012)
- Id., « L’ars plumaria en Amazonie » (2011)
ひきつづいてベルトラン・プレヴォーの「イメージ人類学」的な装飾論。西洋美術でやたらと装飾的に描き込まれるプットーの形象を、実際に装飾として考えて、そこからゴンブリッチが幾何学的秩序に還元してしまった装飾論を刷新していく手際は鮮やか。さらに装身具、テキスタイル、入れ墨、はては人間を越えて動物の毛皮の文様まで、考察を広げていく。
ゴットフリート・ゼンパーの再評価も面白いところだが、議論の要はここでもジル・ドゥルーズであり、そして装飾の「エレガンス」を「非人称化」に見たゲオルク・ジンメルである。世界の秩序とのアナロジーとしての装飾ではなく、自己の身体が投影された第二の身体としての装飾でもなく、身体の非人称化と超個体化によって「世界になること」としての装飾。「エレガンス」というカテゴリーの歴史性を問わないところはやや疑問が残るものの、なぜ装飾論が動物論につながるのかがよくわかる。