The Passing

岡本源太(美学)。書物を通過する軌跡。http://passing.nobody.jp/

パノフスキー

かなり久々にエルヴィン・パノフスキーの「時の翁」を読み返してみると、古典古代には基本的に「カイロス」と「アイオーン」の二つの時間概念しかなく、「クロノス」という時間概念は中世〜ルネサンスにかけての産物だという。ときにクロノスとアイオーンとが対比的に捉えられて(ジル・ドゥルーズの影響?)、はたまたそのどちらでもない第三の時間としてカイロスが引き合いに出されたりするけれど(マルティン・ハイデガージョルジョ・アガンベンの影響?)、当然のことながら概念史の紆余曲折はそのようにすっきりとは図式化できないよう。