グラント
- Iain Hamilton Grant, Philosophies of Nature after Schelling. (2006)
思弁的実在論の「ブルーノ問題」の発端になったイエイン・ハミルトン・グラント『シェリング以後の自然哲学』をぱらぱらとめくってみると、カント主義への批判を軸にしているあたり、なるほどカンタン・メイヤスーやレイ・ブラシエやグレアム・ハーマンと共通している。とはいえ、グラントがカント主義に対抗させて引き合いに出すのは(ヒュームでもライプニッツでもなくて)プラトン主義であり、そのプラトン主義をシェリング/ドゥルーズ経由で唯物論的に解釈して、超越論的なものと生成変化を折り合わせようとしているよう。