The Passing

岡本源太(美学)。書物を通過する軌跡。http://passing.nobody.jp/

ブラシエ、グラント、ハーマン、メイヤスー

  • Ray Brassier, Iain Hamilton Grant, Graham Harman, and Quentin Meillassoux. "Speculative Realism." (2007)

思弁的実在論のそもそもの賭金はなにか、ということで2007年のワークショップの記録を繙くと、レイ・ブラシエの発表が4人の論点を要領よくまとめてくれていてありがたいかぎり(ただカンタン・メイヤスーの部分だけは手短すぎて、メイヤスーの『有限性のあとで』を読んでないと意味不明だが)。ブラシエ自身は、プラグマティズム(ローティ)と超越論主義(フッサール)の双方との対決が狙いのようで、心の哲学とかなり親和的な問題意識をもっている印象がある。