2011-01-03 ダグロン 哲学 読書 Tristan Dagron, "Giordano Bruno et la théorie des liens" (1994) トリスタン・ダグロンの論考では最初期のものだが、一性と無限にもとづくジョルダーノ・ブルーノの道徳哲学(あるいは政治哲学)がけっしてアナーキズムにも全体主義にも帰着しないことを、すでに的確にまとめているように思う。またブルーノの語る「吝嗇」の形象が、プラトン的エロースのカリカチュアとして、明確な哲学的賭金をもっていることも指摘していて、あまり哲学的に重要でなさそうな概念にも注意すべきことを再認識させられる。