2010-12-31 カルヴィーノ 美学 読書 イタロ・カルヴィーノ『文学講義』(原著1988) 第四講「視覚性」で展開されている想像力論、ダンテ『神曲』(La divina commedia)からはじまってバルザック『人間喜劇』(La comédie humaine)におわるという構成の妙もさることながら、概念的思考に対するアルゴリズム的発想の素描になっているようにも読める。そしてこの発想が――スタロバンスキーの研究を下敷きに――ジョルダーノ・ブルーノに遡られているあたりは、まさにカルヴィーノならではの離れ業と言いたくなったりもする。