2010-12-29 五十嵐一 哲学 読書 五十嵐一『イスラーム・ルネサンス』(1986) 第六章「“秤”の学――イスラーム的知の相貌」の話、よくある「世界の調和」の話と言ってしまえばそれまでかもしれないが、エウクレイデス(ユークリッド)がイスラームに導入されたときにその幾何学より比例論が重視されたことに鑑みると、面白く思う。つまりイスラームで問題になる調和は、幾何学的シンメトリーというよりも比例であり、収支決算あるいは等価交換ということになるよう。「アルゴリズム」がイスラームからヨーロッパに入った語彙の一つだことも、あらためて思い起こされる。