ジョイス=ブルーノ(フェルカー、ラバテ)
- Joseph Voelker, "Nature it is: The Influence of Giordano Bruno on James Joyce's Molly Bloom." (1976)
- Jean-Michel Rabaté, "Bruno No, Bruno Si: Note on a Contradiction in Joyce" (1989)
ドイツの新カント主義的哲学史が教科書レヴェルで普及したせいか、ブルーノの「相反の一致」は、ときにほとんどクザーヌスの「対立の一致」と同じもののように扱われてしまっているが、それはジョイス研究でも変わらぬよう。つい引きずられて理解が甘くなってしまうのを避けるためにも、いちど自分でもブルーノとクザーヌスとの差異をきっちりと言語化しておくべきかもしれない。それをジャンケレヴィッチと絡めて纏めてみるという、年来の構想のかたちで実現するかどうかはさておくとして。