宇佐美文理、アヤダ
- 宇佐美文理「神思と想像力」(1996)
- 同「六朝芸術論における気の問題」(1997)
- 同「中国芸術理論史序説」(2005)
- 同「〈形〉についての小考」(2007)
- Souâd Ayada, L'islam des théophanies. Structure métaphysique et formes esthétiques. (2009)
ヨーロッパでのイメージ論というと、明に暗に「神の像」と「受肉」というキリスト教の教義が参照されることしばし。それに対して「神の像」も「受肉」もないイスラーム教のイメージ論を紐解いてみると(アヤダの書物は2010年に刊行されているものの、まだ手にできていないので、さしあたり2009年の博士論文を読んでみると)、神が表象しえないものであるがゆえにすべてにおいて現前しているという、なんともプラトン主義に親和的な構造が見いだせるよう(スンナ派とシーア派では違うのではとかシーア派内部の分派同士の差異はどうなったとかはさておき)。とはいえ、このパラドクシカルな構造だけではまだなにを言ったことにもなっていないので、もう少々細かい話をたどる必要あり。