The Passing

岡本源太(美学)。書物を通過する軌跡。http://passing.nobody.jp/

ヴィント、サラ=モランス、ダミッシュ

短いながらも、ユベール・ダミッシュ『パリスの審判』に「アナクロニズム」を論じた箇所があることに、いまさら気づく。ルイ・マラン『絵画の不透明性』(1989)、ダニエル・アラス「芸術作品のアナクロニックな同時代性」(1999)、ジョルジュ・ディディ=ユベルマン『時間をまえにして』(2000)などなど、「アナクロニズム」は90年代(前後)のEHESSのある程度共通した問題だったのかもしれない。あるいはこの時期のフランスでの「歴史と記憶」の話題の隆盛も、背景として考えるべきかもしれない。