アガンベン、門林岳史
- ジョルジョ・アガンベン『言葉と死』(原著1982)
- 門林岳史『ホワッチャドゥーイン、マーシャル・マクルーハン?』(2009)
20世紀最大の「ブルーノ主義者」と言うべきジェイムズ・ジョイスのこともそろそろちゃんと考えはじめてみるべきかと思い立ち、マーシャル・マクルーハンにジョイス美学論があったことを思い出して、まずは『ホワッチャドゥーイン、マーシャル・マクルーハン?』から読み直す。
マクルーハンとジョイスとトマスの混淆には留意が必要だとしても、「自然と芸術の類比」という伝統的な発想の根拠が、マクルーハンの読むジョイスでは「認識プロセスと創作プロセスの類比」に置き直されているのは、面白い論点のように思う。認識プロセスが(かなり突出して)関心をもたれはじめるのは、いったいいつのころからなのだろう。そう遠い過去のことではなさそうな気もするものの。
にしても、ジョイスの「エピファニー」がベンヤミンの「静止した弁証法」のように見える。