ブルーノ、坂本賢三
- Giordano Bruno, La cena de le ceneri. (1584)
- Id., De la causa, principio et uno. (1584)
- 坂本賢三「マテリエ・フォルム・インハルト」(1971)
ブルーノによる「質料」概念の捉えなおしは比較的よく知られているにせよ、それが哲学と医学の混同に対する批判(ガレノス批判)に通じてもいることは、少し立ち止まって考えるべきものなのかもしれない。
なんにせよブルーノは、当時の人々に理解してもらうために無理矢理この用語をねじまげて使っているようにも見える。用語にこだわるとブルーノのテクストは理解しにくくなるというのは、用語と概念を一対一対応させる今日の哲学の流儀を身につけてしまった者にとっては困りもの。