2010-06-01 クライン、エリアーデ 哲学 歴史 読書 Robert Klein, La forme et l'intelligible. (1970) ミルチア・エリアーデ『悪魔と両性具有』(原著1962) ロベール・クラインの書物は久々に読みはじめてみると、やや独断的なところもある気もするものの、けっこう面白い。 「対立の一致」の理解の仕方が気になって紐解いたエリアーデの書物も、抜群に鋭敏な議論をしている。こうした比較史を今そのまま同じように書くことはもはやできないと思うが(比較は最初は面白いがすぐさま恣意的になってしまう)、この鋭敏さの礎になっている視野の広さは、積極的に受け継ぎたいところ。 それにしてもエリアーデといい、クラインといい、あるいはストイキツァといい、ルーマニアからはときどき驚くべき書物を書く人が登場する。