芸術
現代社会におけるイメージの問題を、実体とその影というメタファーから出発して考察した書物。過去の痕跡を読み、そのデータを蓄積するという行為が、未来を予測するという行為と不可分であることを論じている箇所があるが、そこで面白いのは、かつてはこれ…
「日常において抑圧されている無意識の欲望を解放する試み」という通俗的なシュルレアリスム理解を一新する論文集。「オートマティスム」や「客観的偶然」といった概念によって、シュルレアリスム(というかアンドレ・ブルトン?)が提起した問題は、とりわ…
カルロ・ギンズブルグ(1939- )による1998年に刊行された論文集。ギンズブルグはこの本で、「イメージ」「表象」「異化」「虚構」「スタイル」「パースペクティヴ」といった概念を、語源やあるいは古代の用法に遡って考察している。語源学的な分析は、ハン…
ジョルジュ・ディディ=ユベルマン(1953- )の『時間のまえで』から「開かれ、アナクロニックな学問としての美術史」を再読。ディディ=ユベルマンの狙いは、これまでの歴史学の方法論的前提だった「影響」や「原型」による時間モデルを批判し、ヴァールブ…
カルロ・ギンズブルグ(1939- )の1986年に刊行された論文集。空間的にも時間的にもかけはなれた歴史的出来事を比較したいという誘惑(=「形態学的」方法)と、時間的・空間的連続性にもとづいた厳密な記述をおこなおうという意志(=「歴史学的」方法)と…