芸術
James Joyce, "The Day of the Rabblement." (1901) Gareth Joseph Downes, "The Heretical Auctoritas of Giordano Bruno: The Significance of the Brunonian Presence in James Joyce's The Day of the Rabblement and Stephen Hero." (2003) 蒙昧な群衆…
James Joyce, "The Bruno Philosophy." (1903) エルンスト・カントロヴィチ『祖国のために死ぬこと』(1993) Tristan Dagron, Unité de l'être et dialectique. L'idée de philosophie naturelle chez Giordano Bruno. (1999) 久々再読のカントロヴィチ。ペ…
Edgar Wind, Pagan Mysteries in the Renaissance. (2nd ed. 1968) ルイ・サラ=モランス『ソドム』(原著1991) Hubert Damisch, Le Jugement de Pâris. (1992) 短いながらも、ユベール・ダミッシュ『パリスの審判』に「アナクロニズム」を論じた箇所がある…
ジェイムズ・ジョイス『若い芸術家の肖像』(原著1916) 今福龍太『荒野のロマネスク』(初版1989) 宮田恭子『ジョイスと中世文化』(2009) 『荒野のロマネスク』所収のメキシコのコーラ族の音楽論「音と身体のエスノセオリー」、人間の領域と動物の領域の…
Iconoclash. Beyond the Image Wars in Science, Religion and Art, edited by Bruno Latour and Peter Weibel, Cambridge, Mass., MIT Press, 2002. Making Things Public. Atmospheres of Democracy, edited by Bruno Latour and Peter Weibel, Cambridge,…
ジョルジョ・アガンベン『言葉と死』(原著1982) 門林岳史『ホワッチャドゥーイン、マーシャル・マクルーハン?』(2009) 20世紀最大の「ブルーノ主義者」と言うべきジェイムズ・ジョイスのこともそろそろちゃんと考えはじめてみるべきかと思い立ち、マー…
クロード・レヴィ=ストロース『仮面の道』(原著1975) 図像の類似という反復関係に(基本的には)着目するイコノグラフィーに、もし対立や反転というさらなる変換関係を導入できたなら、豊饒な知見を獲得できそうにも思う……ので読みはじめてみる。
今福龍太『野性のテクノロジー』(1995) 異文化の接触の問題(といっても、そもそも文化は接触以外のなにものでもないが)は、ミルチア・エリアーデの宗教史を貫くモチーフでもあったが、近代以降の芸術(シュルレアリスムだけでなく)にとっても想像以上に…
Carlo Ossola, Autunno del Rinascimento. (1971) Silvia Maspoli Genetelli, Il filosofo e le grottesche. (2006) 久々に『ルネサンスの秋』をひっぱりだして、著者がコレージュ・ド・フランス教授のカルロ・オッソーラだったということに、いまさら気づく…
ダニエル・アラス「肉体、優美、崇高」(原著2005) 先頃翻訳された『身体の歴史』第一巻。そこに所収のダニエル・アラスの論考の凄いこと。アルベルティからフロイトまで、絵画から蝋人形まで、解剖学から社交術まで、この第一巻全体の内容を美術史として包…
エルヴィン・パノフスキー『イデア』(原著初版1924/二版1960) 『サイト・ゼロ/ゼロ・サイト』第3号(特集:ヴァナキュラー・イメージの人類学) そのむかし読んだマリ=ジョゼ・モンザン『ホモ・スペクタトル』の翻訳(第一章「われわれ人間を誕生させる…
Robert Klein, La forme et l'intelligible. (1970) Daniel Arasse, Le détail. (1992) アラスはあいかわらず示唆に富む。「細部」を全体のエコノミーにしたがわせる古典主義芸術理論の「模倣」は、神の似像としての人間という発想に根ざしている、とのこと。
宮崎広和『希望という方法』(2009) 塚原史『荒川修作の軌跡と奇跡』(2009) 社会科学における「希望」という視点は、情念論の現代的な一変形のような気もして、なんとなく気になるところ。とはいえそれ以上に、方法として見られた「希望」は、その時間構造か…
クロード・レヴィ=ストロース(Claude Lévi-Strauss, 1908-2009)の三つめの論文集(原著1983年)。『野生の思考』をはじめて手に取ったのがいつだったのかを思い起こすなら、レヴィ=ストロースの書物をそれなりに「読める」ようになるまで、かなりの長い…
エドガー・ヴィント(Edgar Wind, 1900-1971)の美学(ひいては哲学)がもっとも明快に展開されている瀟洒な書物(原著1963年)。『残存するイメージ』のなか、あれほどエルヴィン・パノフスキーとエルンスト・ゴンブリッチに対して舌鋒鋭いジョルジュ・ディ…
エドガー・ヴィント(Edgar Wind, 1900-1971)が、ルネサンスのヨーロッパに再来した古代のギリシアやエジプトの宗教文化について、その哲学的な争点を考察した古典的な書物。ある意味で、かつて新プラトン主義者たちによって模索された「プラトンとアリスト…
Symbolisme de la Renaissance. sous la direction de Daniel Arasse et al. Paris : Presses de l'École normale supérieure 1976-1990 (vol.1, 1976; vol.2, 1982; vol.3, 1990). ダニエル・アラスが中心となったルネサンス美術についての論文集(全三巻)…
Y voir mieux, y regarder de plus près. Autour d'Hubert Damisch, sous la direction de Danièle Cohn, Paris : Presse de l'École normale supérieure, 2003.Signes, histoires, fictions. Autour de Louis Marin, textes réunis par Frédéric Pousin et …
Du visage, sous la direction de Marie-José Baudinet et Christian Schlatter, Lille : Presses Universitaires de Lille, 1982.À visage découvert, sous la direction de Georges Didi-Huberman, Paris : Flammarion, 1992. 顔をめぐるふたつの論文集。…
レオン・バッティスタ・アルベルティと15世紀フィレンツェの文化・社会とを互いに照応させながら論じた書物。「万能の天才」アルベルティについては、いつか自分なりに取り組んでみたいとかねてより思っているが、なかなか手を出せないでいる。この書物では…
エルヴィン・パノフスキー(Erwin Panofsky, 1892-1968)が、ヨーロッパにおける美や芸術についての議論のなかに「イデア」概念の変遷を辿った書物。芸術理論のなかで、〈模倣/表現〉、〈外界/内面〉、〈感覚的なもの/知性的なもの〉、〈客観/主観〉とい…
ピエール・フランカステル(Pierre Francastel, 1900-1970)による、美術史の方法論や芸術作品の在り方についての諸論考(原著は1965年)。フランカステルは、言うまでもなく「芸術の社会学」の先駆のひとりだが、今日「芸術の社会学」と聞いて思い起こされ…
ジョルジュ・ディディ=ユベルマン(Georges Didi-Huberman, 1953- )が、アウシュヴィッツの四枚の写真を分析しつつ、表象不可能性に対してイメージや想像の重要性を論じた書物。翻訳されたのであらためて読み返したが、イメージについての思想の射程の広が…
ヴィクトル・ストイキツァ(Victor I. Stoichita, 1949- )が、ピュグマリオンの神話の諸変奏をたどりつつ、現実に取って代わるシミュラークルとしてのイメージについて考察した書物。 プラトンによる〈エイコーン/ファンタスマ〉の区別から筆を起こし、「…
ホルスト・ブレーデカンプ(Horst Bredekamp, 1947- )による、「クンストカンマー」の歴史をたどった書物。ブレーデカンプによれば、クンストカンマー、ストゥディオーロ、キャビネなどに蒐集された品々は、「自然物−古代彫刻−人工物−機械」という系列のも…
〈本体/あらわれ〉の分割およびそのうちの「あらわれ」の形成と密接に関わる「遠近法」を、その前史たる「背景画(skenographia)」や「光学(optika, perspectiva)」の変遷を辿りながら考察した書物。おもにギリシアからヘレニズムに重点が置かれつつ、興…
ジョナサン・クレーリーが、近代の視覚/観察者における17〜18世紀と19世紀との切断面について、科学史と美術史と哲学史を統合的に扱いながら論じた書物。個人的には、フーコー的な「切断」によって歴史を捉えようとは思わないし、まして歴史を「構築」と見…
ジョルジュ・ディディ=ユベルマン(1953- )が、アビ・ヴァールブルクの美術史の方法論を、「残存」に集約される特異な時間性の観点から、同時代や先行/後続の美術史、哲学、人類学、精神分析学と照応/対比しつつ論じた書物。ディディ=ユベルマン自身の…
ジャン・スタロバンスキー(1920- )*1が、18世紀フランスの芸術と思想を「自由」をめぐる問題系として読み解いた書物。啓蒙主義とロココ趣味、崇高と優雅が同居する18世紀フランスは、なによりも感情と運動を重視し、そこから互いに相容れないようなさまざ…
ジョルジュ・ディディ=ユベルマン(1953- )によるジュゼッペ・ペノーネ論『頭蓋になること』。ディディ=ユベルマンはペノーネの作品の根幹にdéveloppementを見いだす。このdéveloppementは視覚的には「現像」(写真などの)という意味であり、時間的には…